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団野大成に“最高の伴侶”アスタービーナス/トレセン発秘話

東京スポーツ

2020年06月19日(金) 18:00

函館開催初日に初日3勝と大活躍の団野大成騎手(C)netkeiba.com

 入社以来、初の長期出張。しかも初めて訪れる函館の地での生活に右も左も分からぬまま。函館特有の移り気な天候の洗礼も受けた。それでも大先輩(年齢は記者のほうが上だけど)の“函館マイスター”荒井記者の指導の下、取材の流れや方法をつかみ、さらにグルメや温泉など、オフも勧められたスポットで思わぬ感動に出会いつつ、あっという間に1週間が経過した。

 しかし、このコラムだけは荒井記者の力を借りず、自力でネタをひねり出さなければならない。まだ人脈らしきものなどほとんどない中で達したシンプルな結論は、開催初日に最も活躍したジョッキーを直撃する――。ターゲットは最低人気ファイブフォースでメインの函館日刊スポーツ杯を制するなど、初日3勝と大活躍の団野大成(19=斉藤崇)に決まりだ。

 週が明け、快く取材に応じてくれた彼は、まだ半年が経過しない時点で昨年(26勝)を大きく上回るJRA33勝の大躍進に「去年より、いい馬にたくさん乗せてもらっているからですよ。2年連続で北海道に行かせてくれた先生(斉藤崇調教師)にも感謝しています。とにかく乗せてもらえないことには勝つことはできない。自分はまだまだ若造ですし、いろいろな方にかわいがってもらわなければならない立場。普段のあいさつなどを大事にしようと心掛けています」と19歳とは思えないほど、しっかりした受け答えが返ってきた。

 初日の3勝が全て牝馬だったことには「男馬を動かし切れていないのかもしれないのですが(笑)。折り合いに気をつけて、丁寧でスムーズなレースを心掛けているからでしょうか」と分析。また昨年に続き、藤沢和厩舎の調教を任されていることも大きな財産になっているようで「調教にも丁寧な気配りがあってストイック。日本一の厩舎の調教を経験させてもらえるのは本当にありがたいです」。

 ちなみに土曜函館の3勝中、メインを含む2勝は自ら最終追い切りに騎乗。さらには阪神で騎乗のため不在だった日曜函館では追い切りに乗った藤沢和厩舎の未勝利馬シークレットアイズが格上の1勝クラス(駒ケ岳特別)を勝利。調教でも確かな技術の進歩を遂げ、新たな信頼につながっている。

 そんな彼に函館開催の目標を尋ねると、即答で「リーディングを取りたいです。いいスタートが切れて、その思いも強くなった。意識して(レースで)力み過ぎてはいけないので、そこは気をつけて目指したいです」と強気に宣言してみせた。

 今週も土曜メイン・STV杯に有力“牝馬”アスタービーナスがスタンバイ。1勝クラス13戦で9人のジョッキーが騎乗しながら足踏み続きだった彼女が、テン乗りの団野に乗り替わった前走で鮮やかな差し切りV。ようやく“最高の伴侶”を得た。

 最終追い切り騎乗後、記者から時計を確認すると「状態がいいからか、思っていたよりいい時計ですね。途中でひっかかるところもなかったし、しまいも反応してくれた。少し間隔は空いていますが、状態はいいですよ」と2週連続の土曜メインVへ好感触だ。

 どうやら函館で“大成”の時を迎えた団野から目が離せそうもない。

(永遠の若手記者・松井中央)

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