▲一躍時の人となった藤田菜七子騎手、自身のデビュー時と重なる部分も
自分を見失わないよう、一歩ずつ
3月24日、藤田菜七子騎手が浦和競馬で初勝利を挙げた。日を追うごとに報道が過熱していた時期だっただけに、本人もさぞかしホッとしたことだろう。
先日(3月15日)、高知競馬で一緒になり、少しだけだが初めて話をした。彼女の口から突いて出るのは、「頑張らなくちゃ」「私が頑張れば…」といった言葉ばかり。彼女ほどではないが、自分もデビュー時には話題が先行し、「注目されているうちに勝たなくては…」というプレッシャーがあっただけに、今の彼女の気持ちはよくわかる。思えば、デビューして5年くらいは、「勝たなければ…」という焦りにも似た気持ちに追われて、心が休まる日が一日もなかった。
彼女との状況の違いは、自分の場合、北橋先生が競馬以外の取材をすべてシャットアウトしてくれたこと。当時はジョッキーがテレビに出たりすることを良しとしない時代だったこともあり、「祐一が自分を見失わないように」「祐一が周りから誤解されないように」という措置だったのだと思う。・・・
- 祐言実行とは
-
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。