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関東へも活動の輪を広げていく ―角居師らの引退馬プロジェクトに密着(2)/動画

2016年07月19日(火) 18:01

第二のストーリー

▲ダートのOPクラスで活躍したグラッツィア(右)とエアウルフ(左)


(前回のつづき)

グラッツィアとエアウルフが障害飛越を披露


 角居勝彦調教師と西崎純郎さんのスペシャルトークショーには、グラッツィア(セン8)とエアウルフ(セン9)が登場した。両馬とも角居厩舎で競走馬時代を過ごし、グラッツィアは障害レース1勝を含めて計7勝とオープンクラスでも活躍した。一方、明るい栗毛に顔には白い作があるのが、エアウルフだ。こちらもオープンクラスで走っており、計6勝を挙げている。

 両馬について「性格的にどちらともサラブレッドらしい馬ですが、エアウルフの方が非常に気持が高ぶりやすくて、カッとしやすくすぐに興奮状態に入りやすいタイプの馬でした。2着が12回ありましたが、この気性が邪魔になってエネルギーロスをしていました。こういう馬が乗馬の世界に入って活躍できるものかと。そういう意味では、グラッツィアの方が誰にでも対応してくれるタイプの馬だなと思っています」

 と角居師は語り、「対照的な2頭のリトレーニングを同時にお願いしてしまいました(笑)」と苦笑いしていた。

第二のストーリー

▲両馬を管理した角居調教師が見守る中、障害飛越の様子をお披露目


 そして馬場内を回る姿に「2頭とも人の指示を上手に受け入れて、理解して運動していますね」とリトレーニングの成果に感心していた。さらに「育て上げる人が非常に重要です。そういうスタッフが乗馬クラブにどれだけ揃っているのかも、馬を預ける上で重要なファクターになっています」と、人材の大切さを強調していた。

 トークショーの中では、2頭の障害飛越も披露された。西崎さんの解説のもと、横木をまたぐことから始めて、徐々にバーを高く上げながらの障害を飛び越えていく。障害の高さがこの日1番高くなったところで、エアウルフは2度バーを落としたが、3度目には見事にクリア。騎乗者は手を挙げて喜び、場内からも拍手が沸き起こっていた。

第二のストーリー

▲上手に障害を飛び越えたグラッツィア


第二のストーリー

▲エアウルフは2度バーを落としたが、3度目に見事クリア



 さらに「ホースセラピーの今」と題して障がい者が実際に馬に乗り、それを見ながら障がいのあるひとたちへのホースセラピーの活用について、精神科医の北山幸雄さん、作業療法士の林原千夏さんが話をした。実際、馬とふれあったり乗馬を体験することにより、障がい者の精神機能や運動機能が向上すると言われている。角居師が代表理事の一般財団法人ホースコミュニティも、馬を介在したノーマライゼーション(障がい者が一般市民と同様の普通の生活・権利などが保障されるよう環境整備を目指す理念)の実現、及び健康社会の構築をめざしているといい、引退した馬たちのセカンドキャリアの1つの可能性として、このホースセラピーも入ってくるのだろう。・・・

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関連情報

佐々木祥恵

北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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