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ベルーフがやってきた!ジオファーム八幡平 マッシュルーム栽培に使うのは…(1)

2018年09月18日(火) 18:00

第二のストーリー

▲ジオファーム八幡平にて第二の馬生を送るベルーフ(提供:ジオファーム八幡平)


ここでの第二の馬生は“元気に生きること”


 ジオファーム八幡平、マッシュルーム、馬糞…今年の春あたりから、このワードをよく見聞きするようになった。ネット等で調べてみると、ジオファーム八幡平では馬糞堆肥を使ってマッシュルームを作っているということがわかった。

 美浦トレセンがある茨城県美浦村のプラントでも、美浦トレセンから出る馬糞堆肥を使用してマッシュルーム栽培が行われているため、馬糞=マッシュルームという図式が頭の中に出来上がってはいたが、美浦以外の地域でも馬糞堆肥でマッシュルームを栽培していることを知り、なぜマッシュルームなのか?という疑問が湧いてきた。

 盛岡市や青森県三戸郡、秋田県鹿角市などに隣接する岩手県北西部に八幡平市に、ジオファーム八幡平はある。そこには引退した競走馬たちが暮らしていて、その馬たちが出す馬糞がマッシュルーム栽培に使われているのだという。

第二のストーリー

▲引退馬の馬糞堆肥によって栽培されるマッシュルーム(提供:Creem Pan)


 引退した馬たちの行き先といえば、種牡馬や繁殖牝馬以外では乗馬になるのが一般的だが、毎日元気に生きて馬糞を出すのが仕事という乗馬とは別の道があることが嬉しかった。速く走るために生まれてきたサラブレッドは乗馬には向かないケースも多く、故障して引退した馬の中には、怪我の程度にもよって乗馬になるのが難しい場合もある。だが馬糞を出すのが仕事となれば、そのような馬たちにも活路が開かれると言ってもいい。

 ひと昔前の日本の農家では、馬が農地を耕していた。だから馬を飼う農家がたくさん存在した。現代では機械が馬に取って替わり、農家から馬たちの姿は消えていった。だがジオファームのマッシュルーム栽培をはじめ、他の作物栽培にも馬糞が活用されるようになれば、再び馬が必要とされ、日本各地に馬がいるのが当たり前になるかもしれない。そんな想像を巡らせた。

 近いうちにジオファーム八幡平を取材しようと調べていたら、2015年の京成杯(G3)の勝ち馬ベルーフがジオファームに仲間入りしたことを知った。・・・

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佐々木祥恵

北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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