3歳マンハッタンカフェが勝利、世代交代を告げた(撮影:下野雄規)
テイエムオペラオーとメイショウドトウ、2年間にわたるライバルの最終決戦となったこの有馬記念。競馬の神様による粋な計らいによって同じ8枠に収まった両馬に対し、ファンは敬意を込めて1番人気2番人気の支持で送り出した。
アグネスタキオンはターフを去り、ダービーとジャパンカップを制したジャングルポケットは回避、クロフネはダート路線に活路を見出したため、3歳の代表格として3番人気に推されたのが菊花賞馬マンハッタンカフェ。
レースを引っ張るのは武豊・トゥザヴィクトリー。シンコウカリド、アメリカンボスが続き、メイショウドトウは先団の外目を、そのやや後ろをテイエムオペラオーが追走し、マンハッタンカフェは後方で脚を溜める。
武豊が作り出す中だるみの絶妙なペースでレースは流れ、3〜4コーナーで早めにメイショウドトウが動く。テイエムオペラオーは年齢的な影響からかズブさを見せ、4コーナー手前で早くもムチが飛ぶ。マンハッタンカフェは絶好の手応えで外から進出。
直線に向くとトゥザヴィクトリーがリードを広げ、アメリカンボスも懸命の粘りを見せる。外からメイショウドトウが迫るも往時の伸びは見られない。メイショウドトウのさらに外から、上がり3ハロン33秒9の末脚でマンハッタンカフェが差し切り、サンデーサイレンス産駒初の有馬記念制覇を成し遂げた。2着は先行したアメリカンボス、3着には逃げ粘ったトゥザヴィクトリーが入線。メイショウドトウが続き、テイエムオペラオーは最後にさすがの脚を見せたものの5着止まり。
最終戦で揃って馬券圏内を外したテイエムオペラオーとメイショウドトウ。
疾風のような末脚で他馬を置き去りにしたマンハッタンカフェ。
21世紀の始まりで沸いた一年の締めくくりとなる有馬記念は、鮮やかな世代交代で幕を閉じた。