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【勝負の分かれ目 日本ダービー】コントレイルが圧巻の強さで無敗のクラシック二冠を制覇

2020年05月31日(日) 19:00

 1番人気に支持された福永祐一のコントレイルは他馬と横並びの速いスタートを切った。

 正面スタンド前で、大外18番枠から出たウインカーネリアンが内に切れ込みながらハナに立った。

 コントレイルは、そこから2馬身ほど後ろの3番手の内につけて1コーナーに入って行く。2番手はコルテジア、コントレイルと馬体を離した外の3番手にはディープボンドと「チーム・ノースヒルズ」の3頭が好位を固めて向正面へ。

 ダミアン・レーンが騎乗する2番人気のサリオスは、コントレイルから3、4馬身離れた中団で折り合っている。

 1000m通過は1分1秒7。緩い流れを嫌って、後方にいた横山典弘のマイラプソディが一気にポジションを押し上げ、ハナを取り切って3コーナーに入って行く。

 それも福永は織り込み済みだった。

「思っていたよりペースが流れなかったですね。ノリさんが動いて行くんじゃないかなとは思っていたので、やっぱり来たなという感じで、冷静に受け止められました」

 コントレイルは引っ張り気味の手応えのまま、先頭から2馬身ほど離れた4、5番手で3、4コーナーを回った。

 福永の前では、内からマイラプソディ、コルテジア、ディープボンドが雁行状に並んでいる。

 直線入口で、それら3頭の外にスペースができた。

 そこからゴールまでずっと、コントレイルの前方はクリアなままだった。

 ラスト400m手前で福永が手綱を持ち直すようにして軽く気合を入れた。

 外から、今日は直線でスムーズに手前を替えたサリオスが追い上げてくる。

 ラスト300m地点で、サリオスがコントレイルの1馬身ほど後ろにまで迫ってきた。

 福永のアクションが大きくなった。

 ラスト200m手前で福永は右の逆鞭を入れた。1発、2発、3発と叩くと、コントレイルは目を覚ましたように脚を伸ばす。

 コントレイルはラスト100m地点で完全に突き抜けた。そのままサリオスに3馬身差をつけ、栄光のゴールを駆け抜けた。福永はこう振り返る。

「直線ではちょっと遊んでしまうんです。抜け出してからも緩められなかったのは、まだまだ集中し切れていないからです。

 考えてみれば、遊びながらダービーを勝ってしまうんですから、相当優秀な馬だと思います」

 これで5戦5勝。圧巻の走りで、父のディープインパクト以来15年ぶり7頭目の無敗のクラシック二冠馬(皐月賞・ダービー)となった。

(文:島田明宏)

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